モデルから女優へ キャリアのスタートと努力の日々
米倉涼子さんは1992年、「全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞し、ファッション誌『CanCam』の専属モデルとして芸能界入りしました。高身長と洗練されたルックスで注目されましたが、モデルという立場から女優への転身には大きな努力が伴いました。
初期の頃は「演技が固い」と言われることも多かった米倉さんですが、舞台稽古やドラマ出演を重ねるごとに実力をつけ、徐々に“見た目だけではない女優”として認知されていきました。
『黒革の手帖』で開花した“悪女”という新境地
2004年、米倉涼子さんの名を一気に世間に知らしめたのがドラマ『黒革の手帖』です。松本清張原作のこの作品で、銀座のホステス・原口元子という悪女を演じました。
この役柄は単なる悪ではなく、頭脳明晰で目的のためには手段を選ばない一方、どこか影と悲しさもある人物。
米倉さんはその複雑なキャラクターを見事に演じ切り、視聴者を引き込む力を持つ女優としての実力を確立しました。
『ドクターX』で国民的女優に「私、失敗しないので」
2012年にスタートしたドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』は、米倉涼子さんのキャリアを語る上で外せない代表作です。群れを嫌い、忖度を拒み、自分の技術だけを武器に生きるフリーランス外科医というキャラクターは、特に女性から多くの共感を集めました。
決め台詞「私、失敗しないので」は流行語にもなり、シリーズは2021年まで続く長寿ドラマに成長。米倉さんはこの作品で国民的女優の地位を不動のものにしました。
ブロードウェイデビューで世界へ羽ばたく
米倉涼子さんの転機となったもうひとつの出来事が、2012年のブロードウェイミュージカル『CHICAGO』への出演です。ロキシー・ハート役として現地オーディションを突破し、日本人女優としては異例の本場ブロードウェイデビューを果たしました。
英語の発音や演技指導にも真剣に取り組み、何度も再演されるほどの好評を博しました。海外の観客にも支持され、彼女の「世界で戦える女優」としての評価を高めるきっかけとなりました。
病気との闘いと、それでも前を向く姿勢
米倉さんは2022年、自身が「低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)」と闘っていることを公表しました。舞台中に歩行困難になるなど、日常生活にも支障をきたす症状がありながらも、復帰に向けて前向きにリハビリを続けていると語っています。
病気と闘いながらも「舞台にまた立ちたい」と話す彼女の姿に、多くのファンが勇気をもらっています。
最新作『エンジェルフライト』で見せた新境地
近年ではAmazon Prime Videoのオリジナルドラマ『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』に主演。遺体を故郷に送り届けるという重たいテーマの中で、ユーモアと人間味あふれるキャラクターを熱演しました。
この作品では米倉さんの新たな一面が見られ、人生の酸いも甘いも経験した今だからこそ表現できる奥深い演技が、視聴者に大きな感動を与えました。
まとめ
米倉涼子さんは、見た目の美しさだけでなく、努力と挑戦を重ねてきた芯の強い女優です。
どんな困難に直面しても、自分を信じて前を向き、表現者として進み続ける姿勢は、まさに“生き方がかっこいい女性”そのもの。
50歳を迎える節目の年にも大規模なステージ公演が予定されており、今後の活躍もますます注目が集まります。
米倉涼子さんがこれからどんな新しい表現を見せてくれるのか、楽しみに待ちたいと思います。
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